自分は誰なのか
君、死にたもうことなかれ。
あの時代、弟に書いたとされる与謝野晶子の有名なうたの一節。これほど純粋に自らの真情を書ききれる、それは勇気であり、思いであり、覚悟がなければ書けない。今、自分は、そしてあなたはこれ程の勇気があるのだろうか?
以前にも書いた、人ごとであれば何でもないことであるが、人ごとどころではない、自分自身の身に火の粉が降りかかる、この一節を書き、公表することの力はどこから出るのか? こんな歌人を不幸ながら現在は知らないし、話題にもなっていない。勿論時代は異なり、その必要もないと言ってしまえばそれまでのこと。
それ程時代は自分自身の殻に閉じこもり、自己満足で良いということなのか?
だから日々凄惨な事件をいとも日常の如くニュースで見ることに違和感がないのか?
一体、お前は、自分は、何なのか?
毎日の日常を当たり前に受け入れているだけで心の在りようを認めるのか? そんな自問自答の日々が続く。
あの時代、自分の思いをほんの僅かの言葉で、しかも適格に、恐れず表現出来る偉大な女性歌人の、彼女自身の強さと優しさ、を最近改めて理解、いや、本当に実感出来るように今更ようやくなってきた、と思う。
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